年末調整がよくわかるページ|配偶者特別控除の早見表と書類の書き方を徹底解説
最終更新日:2026年9月5日
この記事でわかること
- ✔ 年末調整の基礎知識と「自分はどの控除の対象か」を自己判断する具体的な確認フロー
- ✔ 本人の年収と配偶者の年収から控除額がひと目でわかる配偶者特別控除の年収別早見表
- ✔ 年末調整書類(扶養控除・基礎配偶者・保険料)の記入手順と16歳未満の子供に関する注意点
年末調整は、会社員や公務員が1年間に納めるべき正しい所得税額を計算し、毎月の給与から引き落とされた源泉徴収税額との過不足を精算する重要な手続きです。
適用できる控除の申請漏れがあると、本来戻ってくるはずの税金を取り戻せなかったり、翌年の住民税が高くなったりする可能性があります。
本記事は「年末調整がよくわかるページ」として、適用できる控除の判定基準から申告書の書き方、配偶者特別控除の金額早見表まで具体的に解説します。ご自身の正確な控除額や還付目安を把握したい場合は、当サイトの無料診断ツールも併せてご活用ください。
年末調整の仕組みと「自分は控除対象か」の自己判断基準
この場合の税額は、課税所得228万円に税率10%を掛け、控除額9万7,500円を差し引いた13万500円(+復興特別所得税2.1%)となります。控除を正しく申告して課税所得を減らすことが過不足精算の鍵となります。
所得税の税率構造と計算方法の一覧は次のとおりです。
所得税の税率構造と計算方法の一覧
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超 〜 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超 〜 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超 〜 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
- 手順1:今年1年間の自分の見積もり給与年収を確認する(基礎控除や配偶者控除の適用可否を判定)
- 手順2:養っている家族(配偶者・16歳以上の親族・16歳未満の子供)の有無と年収を確認する
- 手順3:今年支払った生命保険料・地震保険料・iDeCo掛金の証明書の有無を確認する
- 手順4:住宅ローン控除(2年目以降)の証明書や借入金年末残高証明書を確認する
年末調整で申告できる主な所得控除の一覧と対象判定
年末調整で申告できる主な所得控除は、大きく分けて「保険料に関する控除」と「家族・人に関する控除」に分類されます。
自分や家族が控除の要件に該当しているかを正しく把握することが大切です。
申告可能な主な所得控除の概要と判定基準は次のとおりです。
生命保険料控除・地震保険料控除
1年間に支払った生命保険や個人年金、地震保険の料率に応じて所得控除を受けられます。
保険会社から毎年10月〜11月頃に届く「控除証明書」に記載された証明額をもとに計算します。
要件と控除上限額の基準は次のとおりです。
生命保険料控除(新契約)の控除額計算表(所得税)
| 年間支払保険料の合計 | 所得税の控除額の計算式 |
|---|---|
| 20,000円以下 | 支払保険料の全額 |
| 20,000円超 〜 40,000円以下 | 支払保険料 × 1/2 + 10,000円 |
| 40,000円超 〜 80,000円以下 | 支払保険料 × 1/4 + 20,000円 |
| 80,000円超 | 一律 40,000円 |
- 生命保険料控除(新契約):一般生命保険・介護医療保険・個人年金保険の3区分(各所得税最高4万円・合計最高12万円)
- 生命保険料控除(旧契約):一般生命保険・個人年金保険の2区分(各所得税最高5万円・合計最高10万円)
- 地震保険料控除:自ら所有・居住する家屋等の地震保険(所得税最高5万円・住民税最高2万5,000円)
扶養控除・障害者控除(16歳未満の子供に関する注意点)
16歳未満の子供(年少扶養親族)は所得税の控除対象外ですが、申告書の「住民税に関する事項」欄への記入を忘れないでください。
記入を怠ると市区町村側で扶養人数としてカウントされず、住民税の非課税枠の計算から除外されて住民税負担が増えてしまう恐れがあります。
- 一般の扶養親族(16歳以上19歳未満・23歳以上70歳未満):控除額38万円
- 特定扶養親族(19歳以上23歳未満):高校・大学世代等で教育費負担が大きい対象(控除額63万円)
- 老人扶養親族(70歳以上):同居老親等58万円、同居以外の老親等48万円
- 障害者控除:障害者1人につき27万円(特別障害者は40万円、同居特別障害者は75万円)
小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)
iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済などで拠出した掛金は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得から差し引かれます。
給料からの引き落とし(事業主払込)にしていない場合は、10月頃に国民年金基金連合会から届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」の添え付けが必要です。
支払った全額が控除対象となるため節税効果が高く、忘れずに申告したい控除項目です。
配偶者控除・配偶者特別控除の年収別早見表と適用基準
なお、納税者本人の合計所得金額が900万円(給与収入1,095万円)を超えると控除額が減額され、1,000万円(給与収入1,195万円)を超えると適用対象外となります。
具体的な年収判定の手順例として、夫(年収600万円)、妻(パート年収140万円)の場合を考えてみましょう。
妻の年収140万円は「103万円超〜150万円以下」の区分に該当するため、夫は配偶者控除と同額の最大「38万円」の配偶者特別控除を受けることができます。
配偶者控除・配偶者特別控除の控除額早見表(本人の合計所得金額900万円以下・給与収入1,095万円以下の場合)
| 配偶者の給与収入(年収) | 配偶者の合計所得金額 | 所得税の控除額 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 103万円以下 | 48万円以下 | 38万円 | 配偶者控除 |
| 103万円超 〜 150万円以下 | 48万円超 〜 95万円以下 | 38万円 | 配偶者特別控除 |
| 150万円超 〜 155万円以下 | 95万円超 〜 100万円以下 | 36万円 | 配偶者特別控除 |
| 155万円超 〜 160万円以下 | 100万円超 〜 105万円以下 | 31万円 | 配偶者特別控除 |
| 160万円超 〜 165万円以下 | 105万円超 〜 110万円以下 | 26万円 | 配偶者特別控除 |
| 165万円超 〜 170万円以下 | 110万円超 〜 115万円以下 | 21万円 | 配偶者特別控除 |
| 170万円超 〜 175万円以下 | 115万円超 〜 120万円以下 | 16万円 | 配偶者特別控除 |
| 175万円超 〜 180万円以下 | 120万円超 〜 125万円以下 | 11万円 | 配偶者特別控除 |
| 180万円超 〜 185万円以下 | 125万円超 〜 130万円以下 | 6万円 | 配偶者特別控除 |
| 185万円超 〜 201.6万円未満 | 130万円超 〜 133万円以下 | 3万円 | 配偶者特別控除 |
| 201.6万円以上 | 133万円超 | 0円 | 対象外 |
年末調整書類の具体例と正しい書き方の実務手順
年末調整で会社に提出する主要な申告書は3種類あります。それぞれの書き方と記載ポイントを解説します。
記入ミスがあると会社での税額計算が誤って行われる原因になるため、順番に確認しながら作成しましょう。
手続きに必要な主要申告書の記入ポイントは次のとおりです。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
すべての会社員が提出する基本の書類です。自分自身の基本情報や、扶養している親族の情報を記入します。
配偶者や16歳以上の扶養親族の氏名・生年月日・マイナンバー・見積もり所得金額を記入します。
記入時の注意点は次のとおりです。
- 本人情報欄:氏名・住所・生年月日・世帯主の氏名と続柄を正確に記入する
- 控除対象扶養親族欄:16歳以上の親族について所得見積額(年収から給与所得控除を引いた額)を記入する
- 住民税に関する事項欄:用紙の一番下にあるこの欄に「16歳未満の扶養親族」の氏名・生年月日・住所を必ず記入する
給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
基礎控除、配偶者(特別)控除、所得金額調整控除を1枚で申告するための統合様式です。
自分の年間見積もり給与収入を記入し、裏面の計算表をもとに「合計所得金額の見積額」を算出します。
申告書への記入手順は次のとおりです。
- 手順1:自分の「給与所得の収入金額」に今年の見積年収(例: 5,000,000円)を記入し、所得金額(例: 3,560,000円)を計算して記入する
- 手順2:自分の判定欄にチェックを入れ、「基礎控除の額(例: 48万円)」を記入する
- 手順3:配偶者控除を受ける場合は、配偶者の見積収入・所得を記入し、判定マトリクスから控除額を導き出して記入する
給与所得者の保険料控除申告書
生命保険料、地震保険料、社会保険料(自分で払った分)、小規模企業共済等掛金(iDeCo等)を申告する書類です。
各保険会社から届いた「控除証明書」に記載されている証明額をそのまま転記します。
記入時の注意点は次のとおりです。
- 生命保険料控除欄:「新・旧」の区分を正しく選択し、証明額を転記した上で計算式に沿って控除額を算出する
- 小規模企業共済等掛金欄:iDeCoの掛金は「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」欄に年間払込額を記入する
- 添付書類:ハガキ等の「控除証明書原本」を申告書の裏面または添付用紙に添付して提出する
年末調整では申告できず確定申告が必要な控除と注意点
会社員であっても、すべての控除が年末調整で処理できるわけではありません。
確定申告が必要な控除や、申告漏れが生じた場合の対応手順を解説します。
年末調整ではなく確定申告(還付申告)が必要となる主なケースは次のとおりです。
- 1年間で支払った家族全体の医療費が一定額(原則10万円)を超えた場合(医療費控除)
- 初めて住宅ローン控除の適用を受ける1年目の場合(2年目以降は年末調整で処理可能)
- ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用せず、6自治体以上に寄付または確定申告をする場合
- 災害や盗難等により資産に損害を受けた場合(雑損控除)
医療費控除とセルフメディケーション税制の仕組み
医療費控除額(上限200万円) = 年間に支払った医療費の合計 - 保険金等で補填される金額 - 10万円(または総所得金額等の5%)
医療費控除とセルフメディケーション税制の比較
| 項目 | 医療費控除 | セルフメディケーション税制 |
|---|---|---|
| 対象となる費用 | 医師の診療費・治療費・医薬品代等 | 対象となるスイッチOTC医薬品の購入費 |
| 控除適用 compulsory 下限 | 原則 10万円(所得200万未満は5%) | 12,000円 |
| 最高控除限度額 | 200万円 | 88,000円 |
| 併用の可否 | 併用不可(どちらか一方を選択) | 併用不可(どちらか一方を選択) |
副業所得がある場合の確定申告と住民税の申告ルール
給与所得者が副業で原稿料やメルカリ売却、ブログ収入などの所得(収入から経費を引いた金額)を得ている場合、年間20万円以下であれば所得税の確定申告は不要とされています。
しかし、これは「所得税」に限ったルールであり、「住民税」には20万円以下の非課税ルールが存在しません。
副業所得が20万円以下であっても、お住まいの市区町村役所へ住民税の申告手続きを行う必要があります。申告を怠ると住民税の申告漏れとなるため注意してください。
よくある質問
Q. 年末調整で控除証明書を出し忘れてしまった場合はどうすればいいですか?
A. 会社の再計算手続き期日に間に合えば差し替えが可能です。期日に間に合わなかった場合でも、翌年1月1日以降にご自身で確定申告(還付申告)を行えば、控除を追加して税金の還付を受けることができます。
Q. 16歳未満の子供がいる場合、年末調整で何か書く必要がありますか?
A. 所得税の扶養控除(38万円)の対象外ですが、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の最下部にある「住民税に関する事項」に必ず記入してください。住民税の非課税限度額の判定に使われるため、記入しないと住民税が高くなる可能性があります。
Q. 住宅ローン控除は2年目以降も確定申告が必要ですか?
A. 初年度のみ確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で手続きが完了します。税務署から届く「住宅借入金等特別控除証明書」と金融機関から届く「年末残高証明書」を会社に提出してください。
Q. 配偶者の年収が103万円を超えたら配偶者控除は一切使えなくなりますか?
A. 配偶者控除は受けられなくなりますが、年収103万円超〜201.6万円未満であれば「配偶者特別控除」が適用されます。配偶者の年収が150万円までであれば、満額の38万円の控除が受けられます。
まとめ
- ▶年末調整は1年間の正しい所得税額を計算し過不足を調整する手続きであり、対象となる控除を正しく把握し申告することが重要です。
- ▶配偶者特別控除は配偶者の年収150万円まで38万円の満額控除が適用され、16歳未満の子供は住民税に関する事項欄へ記載することで住民税の負担軽減につながります。
- ▶医療費控除や住宅ローン控除(初年度)は確定申告が必要ですが、書類の出し忘れや控除漏れがあった場合も5年以内なら還付申告が可能です。当サイトの診断ツールを活用してご自身の最適な節税額を確認しましょう。