初めての確定申告やり方完全ガイド|画面入力手順・還付金目安・控除の優先順位まで徹底解説
最終更新日:2026年10月5日
この記事でわかること
- ✔ 初めて確定申告を行う際の国税庁サイトでの具体的な画面入力手順と事前準備
- ✔ 自分がいくら税金を還付されるかの計算方法と適用すべき控除の優先順位
- ✔ 医療費控除・ふるさと納税・副業所得の申告ポイントと注意点
確定申告と聞くと、「手続きが難しそう」「自分はいくら戻ってくるのか分からない」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。確定申告は税金を正しく納めるだけでなく、納めすぎた税金を手元に取り戻すための大切な手続きです。
初めて申告する方は、必要書類の準備や国税庁サイトでの具体的な入力手順に迷いがちです。また、医療費控除やふるさと納税など、どの控除を優先して申告すれば最も得になるのかという判断基準もあらかじめ知っておく必要があります。
本記事では、初めて確定申告を行う方に向けて、国税庁サイトの具体的な操作手順や画面のポイント、還付金の計算シミュレーション、控除の優先順位まで詳しく解説します。
確定申告とは?対象者の確認と「還付金の目安」・控除の優先順位
確定申告とは、1年間の所得とそれに対する所得税の額を正しく計算し、国に申告・納付あるいは還付を受けるための重要な手続きです。対象となる期間は、毎年1月1日から12月31日までの1年間となります。
会社員の方は通常、勤務先の「年末調整」で税金の精算が完了するため、個人での確定申告は原則不要です。しかし、副業所得がある場合や手厚い税額控除を受けたい場合には、会社員であっても確定申告をする必要があります。
まずは、ご自身が確定申告を行う義務があるのか、あるいは確定申告を行うことで税金を取り戻せるのかどうか、判断基準を確認してみましょう。
会社員や事業主で確定申告が必要・得になる条件
会社員や個人事業主で、確定申告が必要になるケース、または任意で申告すると税金が戻るケースは次のとおりです。
確定申告の対象者と要否一覧
| 区分 | 該当する条件 | 確定申告の要否 |
|---|---|---|
| 会社員(給料のみ) | 副業所得が年間20万円超 | 必須 |
| 会社員(給料のみ) | 医療費が年間10万円(または総所得5%)超 | 任意(申告すると税金還付) |
| 会社員(給料のみ) | 住宅ローン控除の適用1年目 | 任意(申告すると税金還付) |
| 個人事業主・フリーランス | 所得(収入-経費)が基礎控除額超 | 必須 |
- 給与の年間収入金額が2,000万円を超える会社員
- 1か所から給与を受けていて、副業などの所得が年間20万円を超える会社員
- 年間で一定額以上の医療費を支払った人(医療費控除)
- 住宅ローンを組み、初めて控除を受ける1年目の人
- ふるさと納税の寄付先が6自治体以上、またはワンストップ特例を利用していない人
- 個人事業主やフリーランスで、事業所得から各種控除を引いて残額がある人
初めてでもわかる還付金の目安と具体的な計算例
例えば、年収500万円(適用される所得税率10%)の会社員が、年間20万円の医療費を支払った場合の具体的な節税額の目安は次のとおりです。
年収500万円・医療費20万円(控除額10万円)の節税・還付例
| 税金の種類 | 軽減額の計算式 | 節税額の目安 |
|---|---|---|
| 所得税(還付金) | 医療費控除額10万円 × 所得税率10% | 約10,000円(口座に還付) |
| 住民税(減額) | 医療費控除額10万円 × 住民税率10% | 約10,000円(翌年減額) |
| 合計節税効果 | 所得税還付額 + 住民税軽減額 | 合計 約20,000円お得 |
どの控除を優先すべきか?判断基準と優先順位
複数の節税制度がある中で、どの控除を優先して準備・申告すべきかの判断基準は次のとおりです。節税インパクトが大きいものから順に確認しましょう。
主な控除制度の優先順位と特徴一覧
| 優先度 | 控除名称 | 特徴と控除の仕組み |
|---|---|---|
| 優先度1 | 住宅ローン控除 | 税額から直接引くため節税効果が最も高い |
| 優先度2 | ふるさと納税(寄附金控除) | 実質2,000円負担で寄附額の大半が控除 |
| 優先度3 | iDeCo(小規模企業共済等) | 拠出した掛金の「全額」が所得控除される |
| 優先度4 | 医療費控除 | 10万円(または総所得5%)を超えた支出分が控除 |
- 優先度1:住宅ローン控除(所得から引くのではなく税金そのものから直接差し引く「税額控除」のため減額効果が絶大)
- 優先度2:ふるさと納税・寄附金控除(実質2,000円の負担で好きな自治体を応援でき、返礼品に加えて税金が控除される)
- 優先度3:iDeCo・小規模企業共済等掛金控除(積立額の全額が所得控除され、節税しながら老後資金を作れる)
- 優先度4:医療費控除・保険料控除(家族分の医療費や未申告の生命保険料があれば漏れなく申請する)
国税庁「確定申告書等作成コーナー」の具体的な画面操作手順
初めての方でも迷わずに申告書を作成できるよう、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」における画面の進め方を解説します。画面の指示に従って金額を入力するだけで自動計算されます。
サイトに入った直後の「どこをクリックすればよいか」という迷いやすいポイントや、入力箇所の流れを順番に見ていきましょう。
事前準備とログイン方法の選択
国税庁サイトにアクセスして入力を始める前に、手元に揃えておくべき準備物は次のとおりです。
- マイナンバーカードおよび暗証番号(利用者証明用4桁・署名用6〜16桁)
- マイナンバーカード読み取り対応のスマートフォン(またはICカードリーダー)
- 源泉徴収票や各種控除証明書
- 還付金の振込先に指定する申告者本人の口座情報
国税庁サイトでの「作成開始」と申告区分の選択
国税庁「確定申告書等作成コーナー」のトップ画面に到達してからの操作手順は次のとおりです。
- 1. トップページ中央にある大きな緑色の「作成開始」ボタンをクリックします。
- 2. 提出方法の選択画面で「e-Taxで提出(マイナポータル連携)」または「e-Taxで提出(連携しない)」を選択します。(印刷して郵送する場合は「印刷して提出」を選択)
- 3. 作成する申告書等の選択画面で「令和◯年分の申告書等の作成」を選び、「所得税」をクリックします。
- 4. 生年月日を入力し、申告内容に関する質問(給与以外に申告する所得の有無など)に「はい・いいえ」で回答します。
収入金額・源泉徴収票の入力手順
給与所得や副業収入を入力する画面での具体的な操作手順は次のとおりです。源泉徴収票に記載された項目番号と画面が連動しているため、指示どおり転記します。
- 「給与所得」の欄にある「入力する」ボタンを押します。
- 源泉徴収票の「支払金額」や「源泉徴収税額」などの数値を、画面上の同じ名称の入力枠へ入力します。(スマホカメラでの撮影自動入力機能も利用可能です)
- 副業などの給与以外の収入がある場合は、「雑所得」または「事業所得」の枠にある「入力する」ボタンを押し、売上総額と経費を入力します。
控除の入力と最終確認・提出画面
控除の入力から申告書送信までのステップは次のとおりです。すべての入力が終わると、還付または納付される税額が自動表示されます。
- 「所得控除の入力」画面に進み、「医療費控除」「寄附金控除(ふるさと納税)」など、適用したい控除の横にある「入力する」を押して金額を入力します。
- 「計算結果確認」画面で、画面上部に赤字などで表示される「還付される税金」の金額を確認します。
- 還付金の受取用金融機関口座情報を入力します。
- スマホでマイナンバーカードを読み取り、電子署名を付与して「送信」ボタンを押せば申告完了です。
確定申告で提出・添付が必要な書類チェックリスト
確定申告で提出や添付が必要な書類は、申告する方の働き方や適用したい控除の種類によって大きく異なります。申告書を作成し始める前に必要な証明書や手元資料を漏れなく揃えておくことが大切です。
書類の中には、国税庁サイトへの入力後に税務署へ提出・送信が必要なものと、提出は不要で自宅保存が義務付けられているものがあります。事前によく整理しておきましょう。
申告者全員に必要な基本書類
確定申告を行うすべての方が共通して手元に用意すべき基本書類は次のとおりです。マイナンバーカードをお持ちでない場合は、代替書類の組み合わせが必要となります。
- マイナンバーカード(裏表のコピー、またはマイナポータル認証)
- マイナンバーカードがない場合:番号確認書類(通知カード等)+身元確認書類(運転免許証やパスポート等)
- 申告者本人名義の振込口座情報(通帳やキャッシュカード)
収入・控除別の添付・入力用書類一覧
収入の証明や各種控除を受けるために必要な入力用・添付用の書類一覧は次のとおりです。お手元の書類が手元にあるかチェックしましょう。
収入・控除別の必要書類と提出扱い
| 書類名 | 対象者・使用目的 | 提出・保存の扱い |
|---|---|---|
| 源泉徴収票 | 会社員・年金受給者(収入入力用) | 提出不要(入力後手元保存) |
| 医療費控除の明細書 | 医療費控除を受ける人 | 明細書のみ提出(領収書は5年自宅保存) |
| 寄附金受領証明書 | ふるさと納税(寄附金控除)を受ける人 | e-Taxは入力のみ(紙提出は添付) |
| 生命保険料・地震保険料の控除証明書 | 年末調整で未提出の保険料控除を受ける人 | e-Taxは入力のみ(紙提出は添付) |
| 小規模企業共済等掛金払込証明書 | iDeCoの控除を受ける人 | e-Taxは入力のみ(紙提出は添付) |
領収書や証明書の保管ルールと注意点
確定申告完了後における領収書や証明書などの保管ルールと注意点は次のとおりです。正しく保管しておかないと、後日の税務調査や確認で困ることがあります。
還付金を最大化する主な控除の適用ルールと注意点
確定申告を行う最大のメリットの一つは、活用できる各種控除を正しく申請して払いすぎた税金の還付を受けることです。自分に該当する控除を見落とさずに申請しましょう。
控除制度には併用できないものや、確定申告をすることで過去の手続きがリセットされる落とし穴もあります。要件と注意点をしっかり確認してください。
医療費控除とセルフメディケーション税制の比較・選択
医療費に関する控除には「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」の2種類があり、両者を併用することはできません。どちらが得になるか比較して選択する必要があります。
医療費控除とセルフメディケーション税制の比較表
| 項目 | 従来の医療費控除 | セルフメディケーション税制 |
|---|---|---|
| 対象となる支出 | 通院・入院・手術代、処方薬など | 対象のスイッチOTC医薬品の購入費 |
| 適用ライン | 年間10万円超(または総所得の5%超) | 年間1万2,000円超 |
| 控除限度額 | 最高200万円 | 最高8万8,000円 |
| 選択の目安 | 入院や高額な治療があった年 | 通院は少ないが市販薬をよく買った年 |
- 医療費控除:1年間の医療費自己負担額が10万円(総所得200万円未満の方は総所得の5%)を超えた場合に適用。
- セルフメディケーション税制:健康診断等を受けている人が、対象となるスイッチOTC医薬品を年間1万2,000円を超えて購入した場合に適用。
ふるさと納税(寄附金控除)とワンストップ特例のリセット注意点
ふるさと納税を行っている方が医療費控除などで確定申告をする場合の重要な注意点は次のとおりです。
- 確定申告を行うと、自治体に提出した「ワンストップ特例申請」はすべて無効(リセット)になります。
- 確定申告書の中に、必ずすべてのふるさと納税の寄付金額を記載して申告する必要があります。
- 申告を忘れるとふるさと納税の控除が受けられなくなるため、受領証明書を手元に揃えて確実に入力してください。
iDeCo・保険料控除・住宅ローン控除の併用手順
その他の代表的な控除制度と、申告時のポイントは次のとおりです。
iDeCo・保険料控除・住宅ローン控除のポイント一覧
| 控除名称 | 控除額の仕組み | 申告時のポイント |
|---|---|---|
| iDeCo(小規模企業共済) | 年間掛金の全額が所得控除 | 掛金払込証明書の金額をそのまま入力 |
| 生命保険料控除 | 各区分最高4万円(合計最大12万円) | 年末調整で出し忘れた分も確定申告で追加可能 |
| 住宅ローン控除(1年目) | 年末残高の一定割合を税額控除 | 1年目のみ確定申告必須(2年目以降は年末調整可) |
確定申告の受付スケジュールと提出後・期限後の対応
確定申告の手続きを遅滞なく完了させるための提出期限や、万が一遅れてしまった場合の対処法を解説します。
還付申告の5年ルールや副業の住民税対策についても正しく理解しておきましょう。
確定申告の受付期間と提出方法の選択
確定申告の受付期間と主な提出方法は次のとおりです。
- 提出期間:原則として毎年2月16日から3月15日まで(土日祝の場合は翌営業日)。
- e-Tax(電子申告):自宅からスマホやPCで24時間いつでも送信可能。還付金振込までの期間が最も短い。
- 郵送提出:申告書を印刷し、管轄の税務署へ通信日付印(消印)有効で送付。
- 窓口提出:税務署の受付へ持参して提出(確定申告期は事前予約が必要な場合あり)。
期限を過ぎた場合・過去5年分の「還付申告」
申告期限に関する注意点と、遡って還付金を請求できる「還付申告」のルールは次のとおりです。
- 税金を納める申告(納付申告)が遅れると、ペナルティとして無申告加算税や延滞税が科される場合があります。
- 税金が戻ってくる「還付申告」であれば、通常の申告期間に関わらず、対象となる年の翌年1月1日から5年間遡って申告が可能です。
- 過去数年間に医療費控除やふるさと納税の申告を忘れていた場合も、遡って手続きをすれば還付金を受け取ることができます。
副業の所得が20万円以下の場合の住民税申告
会社員で副業所得が20万円以下の場合における税金手続きの注意点は次のとおりです。
- 副業の「所得(収入-経費)」が年間20万円以下の会社員は、所得税の確定申告は不要です。
- ただし、住民税には20万円の免除ルールが存在しないため、お住まいの市区町村へ「住民税の申告」を別途行う必要があります。
- 副業のバレを防ぎたい場合は、住民税の申告時に納付方法を「普通徴収(自分で納付)」に選択します。
よくある質問
Q. 初めての確定申告で最も簡単かつおすすめのやり方は何ですか?
A. スマートフォンとマイナンバーカードを使い、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxで送信する方法が最も簡単でおすすめです。画面の質問に答えて数値を入力するだけで自動計算されるため、計算ミスもなく自宅からスムーズに完了します。
Q. 医療費控除を申請すると、どのくらい税金が安くなりますか?
A. 安くなる金額の目安は「(年間医療費負担額-10万円)× ご自身の所得税率」で計算できます。例えば、年収500万円(所得税率10%)の方が医療費を20万円払った場合、控除額は10万円となり、所得税で約1万円が還付され、さらに翌年の住民税も約1万円安くなります。
Q. 過去のふるさと納税や医療費控除を忘れていた場合、遡って申告できますか?
A. はい、過去5年分まで遡って還付申告を行うことができます。対象となる年の翌年1月1日から5年以内であれば、いつでも確定申告を行うことで払いすぎた税金の還付を受けることが可能です。
まとめ
- ▶確定申告は、1年間の所得と税金を正しく計算し、払いすぎた税金を手元に取り戻すための大切な手続きです。
- ▶国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で「作成開始」を押し、画面の指示に従って源泉徴収票や控除額を入力することで初心者でも迷わず作成できます。
- ▶医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除など自分に合った控除の優先順位を把握し、期限内に正しく申告を行いましょう。